2022-01-01から1年間の記事一覧

スモールワールズ  一穂みち

本屋大賞にノミネートされていて、気になったので読んで見ました。 一話80ページくらいの短編が6つの短編集です。 全6編の伏線が混じりあってみたいな話を期待していたのですがそういうのではありませんでした。 思っていたのとは違いましたが、短編一話のク…

慟哭  貫井徳郎

これも友人におすすめされて読みました。 幼女連続誘拐殺人の犯人を追う警察官の話です。 もし、私に家庭や子供があれば、もっと犯人や警察官達、それぞれの父親としての心境に共感できたのかもしれませんが、 個人の感想としては、そこには共感はありません…

同志少女よ敵を撃て  逢坂冬馬

第二次世界大戦、ソ連に侵攻したドイツ軍に自分の村を虐殺された主人公が、母親を殺した狙撃手とドイツ軍、家族写真を燃やした教官に復讐する為、狙撃手として訓練を受け大戦を戦って行きます。 戦闘描写が秀逸で脳裏にプライベートライアンの映像が再生され…

6人の嘘つきな大学生  浅倉秋成

初めて読む作家さんで、どんな話を書くんだろうと思い読みました。 色々、小説は読む方だと思いますが、どんな話とも似てない浅倉さんにしか書けないような小説だと思います。 ジャンルとしてはサスペンスだと思います。 誰も殺されたりはしません。 でも、…

星を掬う   町田そのこ

元夫にひどいDVを受け続けている主人公が、気紛れに夏休みの思い出をラジオに投稿します。 そのエピソードがたまたま幼い頃に別れた母親の関係者の耳に届き、再会し物語が進んで行きます。 前半は人間の弱さや身勝手さがひたすらに際立って気分が悪くなりま…

ライオンのおやつ   小川糸

前回のツバキ文具店について友人に話たら貸してくれました。 主人公は末期がんで余命宣告をうけている女性で、彼女が瀬戸内海のある島のホスピスに入る所から物語は始まります。 泣けます。 ずっと悲しいです。 物語の要所でタイトル通りおやつのシーンが所…

ツバキ文具店 小川糸

主人公は手紙の代筆を営んでいる女性です。 祖母とケンカ別れして海外を放浪し、育ての親である祖母が亡くなり代書屋を継いでいます。 そんな主人公の元に様々な代書の依頼がやってきます。 それは、恋文であったり、絶縁状だったり、年賀状など色々です。 …

イノセントデイズ   早見和真

友人に勧められて読みましたが、めちゃめちゃいい本です。 主人公の女性は元彼の奥さんと双子の姉妹を放火で死なせた罪で捕まった死刑囚です。 彼女がどんな人生を歩んできたのか?本当に犯人は彼女なのか?なぜこんなことになってしまったのか? 刑務官、幼…

滅私  羽田圭介

ミニマリストの主人公が身の回りのありとあらゆるものを整理していったその果てにどうなるのか? みたいな感じの話でした。 羽田さんの作品は皮肉が効いていて好みです。 スクラップアンドビルドとかも好きでした。 うちの実家にも高齢の祖父母がいるので、…

黒牢城 米澤穂信

今話題の黒牢城を読みました。 黒田官兵衛が荒木村重に有岡城に幽閉されていた時のお話です。 作者の発想や物語の着眼点は流石と思います。 しかし、自分の主観のみで感想を言わせてもらうと、面白いけど好みの小説ではありませんでした。 米澤さんの物語の…

ヒトコブラクダ層Z 万城目学

宇宙人、恐竜、古代文明、超能力、三つ子、泥棒、パッと思い出すだけでこれだけの設定を詰め込んで物語を破綻させず最後まで読ませるのはすごいと思います。 でも、私はもう少し設定が少なめの方が好きでした。 ただ、前述の設定が最終的に1つの線というか…

農ガール、農ライフ 垣谷美雨

初めて読む作家さんでしたが、読みやすく最後まで楽しんで読めました。 終わりの直前まで主人公に、苦労が重なり続けて読んでて少し辛くなりました。 私も農業ではありませんが、割と近いところを生業にしてメシを食っております。 そういう事情もあって感情…

三島屋変調百物語 泣き童子  宮部みゆき

第一集の、おそろしから読んでいる好きなシリーズです。 聞き手の主人公が、語り手の身に起こった不思議な話を聞いて行く形式で一話完結の短編集の様な本です。 優しいお話から背筋が凍るような話、教訓のような話など色々ですが。 オチが優しいお話が多く思…

ルビンの壺が割れた  宿野かほる

主人公がSNS上で昔の恋人と再会するところから始まります。 手紙のやり取り風に、主人公と恋人のメールのやりとりだけで物語が進行していきます。 やり取りを重ねるにつれて、思い出語りがどんどんキナ臭くなっていきます。 文章は完結で読みやすく。 オチも…

家康 江戸を建てる  門井慶喜

物語としてはわかりませんが、田舎の寒村だった東京のインフラ整備のエピソードが語られてます。 江戸城をつくったのは太田道灌っていう浅い知識はありましたが前後の時系列とか、どんな風に現在の江戸城、東京の原型、河川の位置関係 地名の由来など勉強に…

旅屋  おかえり  原田マハ

まぐだら屋のマリアに続いて2冊目です。 売れないタレントの主人公が1本しかない、旅番組が打ち切りにされるお話からスタートすます。 苦し紛れに始めた旅の代行業、依頼者の代わりに旅をするお話が2編入っています。 両方とも泣かせに来ていて、泣いてなる…

また、同じ夢をみていた   住野よる

住野よるといえば、君の膵臓を食べたいですが、このお話も良かったです。 小学生の女の子が幸せとは何かを考える話しですが、登場人物達の答えが以外に含蓄があって好きでした。 私の描いたライオンを見て、お母さん太陽の塔って言ったのよ という主人公のセ…

みかんとひよどり  近藤ふみえ

フランス料理のシェフで、少し抜けた所のある主人公が山で、遭難しそうになったところを助けられて物語が始まります。 助けたのは無愛想な猟師で、簡単に言えばその2人が徐々に仲良くなっていくお話です。 終始、軽快な文章が続き、通常の私は物語に入り込む…

原田マハ まぐだら屋のマリア

主人公のシモン君が東京の高級料亭をやめて ヒロインが働く食堂まぐだら屋に転がり込む所から物語が始まります。 序盤、終盤、お話の結びはとても楽しめたのですが 中盤の主人公がなぜ料亭をやめたのか? ヒロインはなぜ まぐだら屋で働いているのか? この…

蜜蜂と遠雷

数年前に読んだのだが、読書中 鳥肌が止まらず風邪と勘違いする程面白い本だった。 ふと、思い出したので文章にしておこう。 クラシック音楽のピアノという分野で、音楽の神様に愛されたような天才達の観ている世界が、私のような ど凡人の素人にも想像させ…